ふるさと納税の「ワンストップ特例」の締切は翌1月10日!でも確定申告なら5年後の提出でもOK?!
こんにちは!子育てファミリー専門FPの藤澤です。
8月ともなると、その年の収入がだんだんとはっきりしてくる時期。本格的に「ふるさと納税」を始める時期のひとつです。
「ふるさと納税」をして税金を返してもらうためには確定申告、あるいは「ワンストップ特例」のいずれかを行います。みなさんは「簡単そう」と理由でだけでワンストップにしていませんか?
ワンストップは確かに簡単ですが、利用するには翌1月10日までに申請書を送らないといけませんよね。年末ギリギリに納税したら間に合うの?とお正月にヤキモキする人も多いはず。
今回は、お正月にワンストップのことを思い出したくない人、子育て中でてんてこ舞いの人に朗報です。条件に合えば確定申告なら、なんと5年後に書類を提出してもOKな場合があります。
この記事では、ふるさと納税を簡単に説明したあと、「ワンストップ特例」を利用する際の注意点や、「意外と確定申告もいいよ?」ということについて説明していきます。
*注意* 本記事では、確定申告を行う義務がない方へ向けに還付申告を有用に行うことを勧める内容です。確定申告をする義務がある方に向けた解説ではありません。
ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、好きな市区町村に寄付をすることで、金額に応じたお礼の品がもらえるほか、寄付後に支払うべき税金をおまけしてくれる制度です。要するに、「ふるさと納税」という形で次の年に払うべき税金を前の年に一部前払いしておくことで、おまけとして返礼品がもらえる、ということです。
ちなみに返礼品は、ふるさと納税での寄付額の30%程度の品やサービスとされています。つまり、1万円を寄付した場合には最大3000円相当、ということになります。
この返礼率は、2019年に高すぎるとして現在の30%の引き下げられた経緯があります。いずれ見直されるかもしれませんね。
「ふるさと納税」への参加代金は2000円
気をつけたいのは、「ふるさと納税」を利用するには一律2000円のいわば参加手数料がかかる、という点。寄付金額が少ないとお得感が薄れる点は意識しましょう。
お得かどうかの計算はこのようにします。
例えば、総額10000円のふるさと納税をした場合。 11000円のリターンがあることになるので、1000円お得。 ・税金が8000円安くなる(翌年の所得税・住民税。10000円−2000円) ・返礼品が最大3000円相当分もらえる(10000円×30%)
「ふるさと納税」できる金額は、収入や家族構成によって変わる
ふるさと納税で寄付をすると、支払うべき税金をおまけしてくれると説明しました。ここで言うおまけは、「控除(こうじょ)」と言います。ふるさと納税できる金額、とも言えます。
この控除額ですが、その年(1月1日から12月31日まで)の収入や家族構成、保険料、住宅ローン減税額などによります。
16歳から22歳のお子さんがいるご家庭は、控除額に注意! ふるさと納税の控除額を「年収は去年と変わらないから、控除額も変わらないでしょ?」と確認しないでいませんか?詳細は省きますが、お子さんが進学すると収入が変わらなければ控除額が減るケースがほとんどです。必ず毎年、控除額を確認しましょう。
確定申告と「ワンストップ特例」のメリット・デメリット
ふるさと納税によって税金(所得税・住民税)の控除を受ける(税金を安くしてもらうこと)ためには、自分から申請をしなければなりません。それには確定申告をするか、「ワンストップ特例」の申請をする必要があります。
簡単なのはワンストップ特例ですが、デメリットもありますので、きちんと押さえておきましょう。
「ワンストップ特例」が使えなかった場合は確定申告するしかない
「ワンストップ特例」の申請をした後に確定申告もした場合には、「ワンストップ特例」の申請は無かったことになります。同じように「ワンストップ特例」が間に合わなかった場合や使えなくなった場合も同じです。
こうなると確定申告をする際に、ふるさと納税の全寄付分の申請を(ワンストップ特例はやらなかった前提で)しなければ税金は返ってきません。
ちなみに「確定申告をすることになった」などの連絡を各自治体へする必要はありません。
確定申告はいつまでに?
「ワンストップ特例」はふるさと納税をした翌1月10日(必着)までに自治体への提出が必要です。では確定申告はいつまでに提出したら良いのでしょうか?
結論から言うと、ザクっと2パターンです。
- 原則通り、「ふるさと納税」をした翌年2月16日から3月15日まで
- 翌1月1日から5年間(令和5年にふるさと納税をした場合、令和10年12月31日まで)
「ワンストップ特例」が翌1月10日必着なのと比べると、かなり余裕がありますね。
確定申告をする人は2パターン
では、5年後にできるパターンは、どのような人でしょうか?
そもそも確定申告をする人には2パターンしかありません。
- 確定申告をする義務が無い人
- 義務がある人
申告する義務が無い人の確定申告は、5年後でもOK!
義務が無い人は5年間OKです。具体的には、「ふるさと納税」をした翌年1月1日から5年間(2023年にふるさと納税した場合、2028年12月31日まで)の間に確定申告の書類を提出(還付申告と言います)すれば、ふるさと納税で寄付した分の税金が返ってくる、というわけです。
確定申告をする義務がある人ってどんな人? リスト給与の年間収入金額が2,000万円を超える人 リスト給与所得以外に不動産所得がある人 など。詳しくは税務署に確認してください。
普段は年末調整だけしていて、
- 「ワンストップ特例」ができなかった、使えなくなった
- 「ワンストップ特例」をしたけど、医療費控除もしたくなった
これらにあたる方は、2月16日を待たずに還付申告ができますし、また3月15日を過ぎても全然OKなわけです。
確定申告したけど、失敗して出し直し!となると、期限が変わります。
まとめ「ふるさと納税で確定申告」。こんな人にオススメ
ふるさと納税をこれからするけど、「ワンストップ特例」と確定申告のどちらにするか迷っている。こんな人には確定申告がオススメです!
申告は難しいイメージがありますが、e-Taxですると意外とカンタンです。必要な数字や情報を入力すると書類をスイスイ作ってくれます。
忙しい人。期日に追われたくない人。
「ワンストップ特例」が翌年1月10日が必着であるのと比べて、還付申告ならかなり余裕があります。必着日に追われるのがイヤな方、子育てに追われてる方、とにかく忙しい方は自分のタイミングで提出しやすい還付申告にするのはアリです。
確定申告する可能性がある人。
こういったケースに該当する方は、確定申告をすることで税金を返してもらえます。
- 出産を控えている人・した人
- 家族も含めて病院や歯医者で年間10万円以上支払いそう
- 住宅ローンを組んで、これから家を買おうとしている
- 気づいたら6つ以上の自治体にふるさと納税をしていたことがある人
出産で確定申告??と思った方!出産費用や妊婦健診費用で年間10万円以上を自己負担しているなら、確定申告をすることで費用の一部が返ってきますよ。
マネーリテラシーを高めたい人
自分で確定申告ができると、マネーリテラシーがグーンとアップします!
家計管理や資産管理の大原則である「収入を増やし、支出を減らす。貯まった金額を、自分に合った方法で運用する」ことをより考えるきっかけにもなります。またオトクになる控除や制度を知ったり勉強することにもつながりますよ。