がん保険にママだけは入っておくべき、たった1つの理由
こんにちは!子育てファミリー専門FPの藤澤です。
そろそろ4歳の長女は、アナ雪にハマってます。
皆さんは、がん保険、入ってますか?それとも、いらない、と考えていますか?
私は「子どもの大学入学まで、ママだけはがん保険に入っておくべき!」と思っています。その理由はズバリ、乳がんです。
私はあえて保険を売らないFPとして活動しています。今回、特定の保険を紹介しますが紹介料も一切ありませんので、安心して読んでください。
子育てFPが加入するがん保険とは?
なぜこれらの保険を選んだかは、最後にまとめています。
(一般論)保険が必要なのは「可能性は低いが、家計に甚大な影響があるとき」
キホンのキですが、保険に加入する必要があるのは、「起きる可能性は低いが、起きてしまったら家計に対して甚大な影響があるとき」に限られます。
保険貧乏に気をつけよう
保険貧乏にならないように注意しましょう。そのときのポイントは、
- 長期にわたる問題だけ保険で対処できるような、保険選びを徹底
- 保険料が手取り収入の3%から5%に収まるようにする
を意識することです。
短期に解決する問題は貯蓄で、長期にわたる問題は保険で対処するよう、はっきり区別をしておきましょう。保険加入の大原則「可能性は低いが、家計に甚大な影響があるとき」、です。
また、がん保険を含めた生命保険やそのほかの保険の保険料は、手取り収入の3%から5%以内に収まるように予算組みをしましょう。
人生にはがん以外にもリスクがたくさんあります。全てに備えようとしてもキリがありません。しかも保険は「XXが起きたら」など特定の条件を満たさないと1円ももらえないですが、現金は何にでも対応可能です。そのため、貯蓄を十分に作っておくことが一番大事です。
(一般論)がん保険が必要な人「お金がない人」or「治療の幅を広げたい人」
保険が必要なのは、家計に甚大な影響があるとき、と説明しました。
がん保険が必要な人は?
- 「お金がない人」
- 「治療の幅を広げたい人」
このどちらかに該当する人は要検討です。詳しく見ていきましょう。
「お金がない人」
第一には、(収入-生活費)がマイナスとなっているケースです。すでに預貯金を減らしている状態にあり、治療による支出増&収入減がありうるため危険な状況です。
第二には、病気や突然の出費があった時に使う現金が不十分なケースです。会社員であれば手取り収入の最低6ヶ月分、自営業やフリーランスの場合は最低1年分はいつでも引き出せる状態にして用意しておくことを強くおすすめします。
「治療の幅を広げたい人」
保険診療(標準診療とも)は公的医療保険が適用されますので、患者負担は3割となります。一方、詳細は割愛しますが先進医療や自由診療の場合は患者負担が大きくなります。
これからがん治療。先進医療や自由診療を勧められたら?
をよく考えておくことが重要です。
「乳がん」に備えて、ママだけは保険に入ったほうが良い
結論、家計に影響を与えやすいのが「乳がん」です。がん全般に言えることは、女性は20代から50代後半の期間において、男性のがん罹患率を上回ります。そして女性が40代から罹患率が上がる理由の一つが、乳がん。
ママ:40代は教育費のピーク・住宅ローン完済はまだまだ・子どもの成長も見届けたい
40代というと、教育費のピーク。その上、住宅ローンの残債もまだまだある、老後資金も貯めるべき、上記に当てはめれば「お金がない人」。
また、子どもの成長をなんとしても見届けたいはず。「治療の幅を広げたい人」が保険適用外の治療をもし勧められたら、藁にもすがる思いで選びたくなると思うんですよね。もちろん、保険外治療がベストな治療かどうかはケースバイケースなはず。ただ、「子どもの成長を見届ける」ことが最も大事であるなら、選びたい時に選べるかどうかは大きな違いではないでしょうか。
ママ:乳がんは「若くから」・「7割の罹患者が5年から10年の治療」が特徴
乳がんを子育てファミリーがケアしておくべき理由は、その治療が5年から10年にも及ぶ可能性が高いからです。日本乳癌学会によると、70ー80%の乳がん患者さんは、手術後に5年から10年にも及ぶホルモン療法を行うことになります。がんのステージ別に見ると、『ステージ0でも57.0%に上り、ステージ1以上では8割以上(全国の乳がん患者登録調査報告(2017年次)。がんナビより引用(1)』とされています。
そもそも、乳がん患者さんの全体の70ー80%は、女性ホルモンをエサとして増殖するタイプのがん細胞を持っています。なので、手術をしても除き切れないがん細胞に、えさとなる女性ホルモンを与えない治療が長期にわたって必要です。
副作用もあるなかで、収入を維持できるか、治療費や学費の確保はできるか、といったお金の不安と5年も10年も向き合うのは、かなりしんどいのではないでしょうか。
(1)引用: がんナビ(日経BP)「副作用がつらくてもやめないで! 乳がん術後のホルモン療法」
(*)参考: 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版(日本乳癌学会)「Q29 再発防止のための術前もしくは術後の薬物療法はどのように決めるのでしょうか」
同上「Q32 ホルモン療法(内分泌療法)は,どのくらいの期間続けたらよいのでしょうか」
パパ:子育てが終わる50代後半・60代から罹患率が上がっていく
女性との決定的な違いは、男性の場合の罹患率は50代から徐々に上がっていく点です。子育てが終わってるか、終盤であるケースが多いでしょう。そのため、パパのがんに対しては保険でケアするより、預貯金と老後資金を治療費に充てるのが正解と言えます。
乳がんになった時の公的保険は、どこまで通用する?
健康保険適用で3割負担
国民皆保険制度である日本において、自己負担が3割で済むというのは心強い制度ですよね。高額療養費制度もあります。とはいえ、国の財政状況と人口バランスを考えると、いつか負担割合が変更されても不思議ではないと、個人的には思います。
傷病手当金で給与の2/3が支給される
傷病手当金は会社員のみが受け取れます。仕事ができない状況にあって給料が支給されない場合に、給料として受け取っていた金額の2/3程度が支給されますが、その期間は長くとも1年半。また、自営業やフリーランスの人などが加入する国民健康保険には、そもそも傷病手当金がありません。
5年から10年の長期にわたるホルモン療法に家計は耐えられる?
傷病手当金があてにならない5年から10年の長期にわたるホルモン療法。仕事を続けながら治療を受けるには、基本的には平日に有給で医療機関を受診することになるのではないでしょうか?状況によっては収入の維持は容易ではありません。
子育てファミリーにぴったりながん保険は実費補償タイプ
オススメはSBI損保のがん保険
これまでの内容を踏まえつつ、私のがん保険に求めることは
これに最も合致するがん保険が、SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)です。保険料は35歳男性で月1,014円、女性は1,393円。45歳なら男性1,737円、女性2,434円ですから、子育てファミリーにも入りやすい保険料ではないでしょうか。
SBI損保の「治療費補償に特化したがん保険」の特徴は?
SBI損保のがん保険の特徴
この実費補償型のがん保険は、入院したら◯円、通院したら◯円、という入院給付金や治療給付金が出るタイプではありません。実際にお財布を痛めた金額分だけを補償してくれるため無駄がないものです。
似た設計に、セコム損保がある
SBI損保のがん保険の設計に似たものとして、セコム損保のがん保険「メディコム」があります。
いくつか違いがあり、
- がんと診断された時に100万円が支給される特約がメディコムでは外せない。
- 高額療養費制度を使ったときに受け取れる保険金に差がある
- 自由診療を受ける場合、メディコムでは指定医療機関でないと保険金がもらえない
セコム損保「メディコム」 がん診断給付金特約の特徴は?
ちなみに、私はこれを割高であるため不要に感じています。診断結果がステージ0(療療が短期であろう軽度がん)に対して100万円給付されてしまうような厚い保障は本来不必要で、これは保険加入の大原則「可能性は低いが、家計に甚大な影響があるとき」に合致しません。
短期の治療や、はじめのうちの治療は貯蓄で対処するのが基本方針。したがって、もし「初回の診断給付金は支給しないが、2回目以降から支給する」あるいは「ステージ2以上で」なのであればよかったのに、と思います。
高額療養費を利用した際に受け取れる保険金
例えば、健康保険の適用前の医療費が100万円であったとしましょう。
私たちは健康保険制度によって3割負担で済みますので、支払いは30万円となりますが、金額が大きいため、高額療養費制度が使えるわけです。
ざっくり説明すれば、1カ月の間に医療機関や薬局の窓口で支払った額が一定の上限額を超えてしまったら、その一定の上限額を超える費用は支払わずに済む制度。医療費で生活が圧迫されないようになっているわけですね。
高額療養費制度を使った結果、9万円の支払いだけとなった場合に、
- セコム損保だと30万円を保険金として払ってくれる
- SBI損保だと9万円を保険金として払ってくれる
ここにも2つの保険の違いがあるわけですね。
指定医療機関があるかないか
セコム損保に加入した場合に注意しなければならないことは、自由診療を受ける場合には、あらかじめセコム損保が指定する医療機関を調べた上で受診しなければならないこと。指定機関外で自由診療を受けると、保険金が下りない点には注意する必要があります。
割高なセコム損保のがん保険にそれでも加入したパパ
ところで、私も妻と同じくSBI損保のがん保険に加入したかったですが、ポリープ(良性ですが)があり審査で落ちてしまったので、割高なセコム損保に加入しました。
私(パパ)ががん保険に加入した理由は
- 治療の選択肢を広げたい
- 父を亡くして経験した相続と事業継承が無茶苦茶キツかった
- 妻には幼い子どもを残して同じ苦労をかけたくない
妻より1万円高い保険料(年齢とセコム損保だから)ではありますが、格段に受けやすくなる先進医療・自由診療によって、当時の苦労が少しでも回避できるかもしれないなら、という判断です。
まとめ:ママだけでもがん保険に加入するのがおすすめ
私自身は、奥さんだけは加入した方がいいと思っておすすめしましたが、いる・いらないは、夫婦の間で話し合った結果が正解。ぜひ話題にしてみてください。